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タグ: 90分前後

現金に体を張れ

現金に体を張れ(原題:The Killing
85分

 一癖も二癖もある独創的な映画ばかり作る印象のある監督といえばスタンリー・キューブリックだろう。そんな彼がハリウッドで最初に作ったのがこちらの作品である。内容は手っ取り早く大金を手にしたい連中が計画を練り、競馬場の金を狙うというもの。計画実行までの人間性が際立つドラマパートにスマートさの光る強盗パート。そして結末が待ち構える。

 計画自体はよくできているが、何故そこにその人物を選んだのかという疑問点は残る。ああいう性格だから利用しやすいと考えるべきか、あるいは他がまともだったから彼しかいなかったのか。何にせよ計画に欠かせない人物ではある。きっと他に誰もいなかったのだろう。ついでに他の疑問点もある。それはある人物らとの交渉シーンである。

 その計画には協力者が必要で、協力者には詳細を明かすわけにはいかない。もし彼らが手にする大金の額を知ってしまえば、多額の報酬を要求してくる可能性が高いのだ。それで協力者には詳細を隠し、彼らからすれば大金(強盗で得る額からすればはした金)を支払う。詳細は明かさない。その代わり協力すればこれだけの金をやるぞ、と。

 もちろん彼らは食いつく。しかし彼らも馬鹿ではない。何故この程度の協力で大金を得られるのだろうか、と疑問を抱くのだ。この程度の内容なら自分である必要はない。それにもっと安く済む。さてはもっと大金が手に入るのだろうと。そうと分かれば彼らも黙ってはいない。協力はする。その代わりに分け前をよこせ。これは当然の流れで、これまた当然の要求である。

 ここで私はさあどうなるのか。口約束をして反故にするのか、過少申告して少ない分け前を与えるのか……と考えていた。しかし彼らはごねる割にあっさりと引き下がる。依頼内容を怪しむ者が居るのはいい。誰も疑わないのは不自然だろう。けれどもこうさっぱりしていると違和感がある。これならもういっそのことごねる展開は不要だったのではないだろうか。

 最後に疑問点を書いてしまったが、全編通して気になった箇所といえばそれくらいのものである。彼が仲間でなければ最後の展開には至らないわけで、いささか不自然ではあるものの協力者が納得しなければ計画もうまくいかないだろう。演出はキューブリック監督らしく、いやに人間らしい彼らのやりとりもうまい。フィルム・ノワールに興味があれば是非観てほしい。

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テイキング・オブ・デボラ・ローガン

テイキングオブデボラローガン(原題:The Taking of Deborah Logan
90分

 アルツハイマーの老婆を取材していると様々な恐怖に襲われる作品。老婆の演技やちょっとしたグロ表現はホラー映画としてはそれなりだが、恐怖心を煽る手法がベタな上に音やカメラの揺れといったものに頼りすぎている印象を受ける。ドキュメンタリーらしさとホラーらしさを追求しすぎたのか、結局これは何だったのかと首を傾げてしまう。ちょっとしたグロ要素やモキュメンタリーを求めていれば悪くないのかもしれないが、ターゲットがよく分からなかった。

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アイデンティティー

アイデンティティー(原題:Identity
90分

 死刑執行の前夜になっての再審議とモーテルでの殺人事件。物語は同時進行で進み、観客は二つの出来事の関連性を見出そうとするだろう。そして関連性を見つけた時、ふと勘違いに気付く。しかし勘違いはそれだけでは済まず……。この作品はサスペンスだが、単に犯人を当てるだけでは終わらない。モーテルに集まった人々の共通点とは何か。何故カウントダウンされていくのか。どうして鍵があるのか、誰なら出来るのか。整合性を意識しすぎず、どうやったらこうなるのか……と考えれば真相に気付けるかもしれない。二転三転と裏をかかれる構成は巧みで、最後のシーンは色々と考えさせられる。ガチガチのミステリーやサスペンスは好まず、普段はファンタジーやクライム映画を観るような方におすすめしたい。

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死刑台のエレベーター

死刑台のエレベーター(原題:Ascenseur pour l’échafaud
92分

 ある目的の為に準備をしてきた男が計画を実行し、成功する。しかしお粗末な後処理のせいで現場に戻ることとなり……。展開としてはよくあるサスペンスだが、事前準備に力を注いでいたくせにどうしてそれを忘れるのか? と首を傾げてしまうストーリーは賛否両論だろう。動転していると言えばそれまでだが、ある場所から出る為に試行錯誤する様もスマートには見えない。視点が変化しながら様々な姿が映し出される演出が目立ち、気付けば主役も代わっている。面白いのは確かだが、色々と理不尽で納得しにくい箇所はあった。悪くはないものの、サスペンスに完璧さを求める者には物足りない作品だろう。

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コンジアム

コンジアム(原題:곤지암)
94分

 曰く付きの精神病院跡地で生配信をして視聴者数を稼ごう! という現代ならではのストーリー。もちろん彼らは怪奇現象に襲われる。怖いか怖くないかと言われたら確かに怖い。しかし残念ながらどれもこれも予定調和のままで、よく言えば王道的な展開。悪く言えばありきたりな展開が続く。せっかくのPOV形式も生配信というスタイルも味付け程度にしかなっておらず、色々と勿体ない。展開としてのホラー要素は物足りないが、SEや視覚的なホラー要素は強い。

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スクランブル

スクランブル(原題:Overdrive)
94分

 高級クラシックカーを盗む兄弟が繰り広げるアクション物。彼らがやっている行為は強盗でしかないが、意外とそれなりに体術にも優れていたり、荒っぽいだけかと思いきや手口が鮮やかだったりと感心しそうになる。ただのクライムアクションかと思えば伏線もあり、そのままぼんやり観ていたら思いがけない展開もあるかもしれない。モチーフがモチーフなだけに作中でも様々なクラシックカーが登場する。車好きでアクションも好きな人は一度観ておこう。

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96時間/リベンジ

96時間/リベンジ(原題:Taken 2)
91分

 前作で殺した相手の家族から命を狙われるけどやっぱり圧倒的な活躍を見せちゃう爽快アクション。前作は娘で今作は元妻が拉致されてしまうのだから、なかなかついてない。個人的な好みで名作扱いにしているものの、やってることは大して代わり映えしない。つまり前作が気に入って、同じノリを期待している人向けの作品となる。逆に前作の時点で物足りなかった人には向いていない。そういう人からすれば、この作品は佳作どころか迷作にもなり得る。しかし私はこれでいい。リーアム・ニーソンの活躍を観たいのだから。

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96時間

96時間(原題:Taken)
93分

 娘を愛する元CIA工作員が圧倒的な力で何とかする爽快アクション。こう書いてしまうとスティーヴン・セガールをイメージしてしまうが、彼ほど圧倒的ではない。しかしたとえ絶望的な状況になっても「こいつなら大丈夫だろ」と思える。アクション映画として、そして主演のリーアム・ニーソンが好きな私からすれば間違いなく迷作。残念ながら評価は割れてしまっているが、続編が二作も出ていることを考えれば好きな人は好きな作品であるに違いない。強いおっさんが好きな人は是非観て欲しい。

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QUBE RED

QUBE RED(原題:La habitación de Fermat)
88分

 タイトルと原題の違いで疑問を抱いた方もいると思う。そしてその疑問はきっと正解へと繋がる。こちらの映画はキューブシリーズのようなタイトルだが、全く関係ない。原題を直訳すればフェルマーの部屋で、内容もそのまま。フェルマーに招待された者たちが小中学生レベルのような問題をひたすら解かされるというもの。問題はそこまで難しくもなく、グロもなければキューブらしさのかけらもない。しかしシナリオ自体はそう悪くなく、紅一点のヒロインが気に入れば暇潰しに観るのもいいだろう。

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キューブ

キューブ(原題:Cube)
90分

 目を覚ますとそこは見知らぬ立方体の部屋。何故そこにいるのか。誰がどんな目的でこんな空間を用意したのか。そういった疑問は最後まで解決されないが、誘拐と見知らぬ相手との協力。そして死の恐怖といった要素は後々の作品へと大きな影響を与えた。もはや改めて紹介する必要はないが、密室ホラー(?)の原点としてはよく出来ている。謎を残したまま終わるのもホラーだからこそといえる。決して投げっぱなしではない。

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