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ザ・フォーリナー/復讐者

ザ・フォーリナー/復讐者(原題:The Foreigner
110分

 テロに巻き込まれて娘を失ってしまった中華料理店の経営者クァン。彼は首謀者への復讐を考え、名前を知りたがる。しかしそう簡単に名前を教えてもらえるはずもなく、クァンの行動は過激になっていく。観客も途中から明らかに普通じゃないと気付き始め、なんだこの老人は……と思い始めたところで正体を知る。ネタバレではあるが、彼がただの経営者だとは思えないだろうから書いてしまおう。クァンは非常に優秀な元工作員だったのだ。

 ここまで書いてしまえば映画好きなら想像できる通り、クァンは年齢を感じさせない身体能力と知識で恐ろしいほどの行動力を発揮する。テロの首謀者が誰なのか。クァンはこのままどこまで暴走してしまうのか。彼がやられてしまう展開は一切想像できないまま、物語は複雑そうに見せて意外にもシンプルな構造のまま進行していく。

 色々と捻ってはいるものの、アクション映画の枠からは出ないまま本作は終わる。何らかのはっきりした結末を求めている者には物足りないまま幕を閉じてしまうので、消化不良だのなんだのと文句を言いたくもなるかもしれない。007シリーズで知られるピアース・ブロスナンと、アジアのアクション映画では説明不要のジャッキー・チェン。彼らの演技を楽しむのが本作の醍醐味ではないだろうか。残念ながらアクション要素はジャッキー・チェンにしかないが……。

 ちなみに本作で登場する組織や名称等には実在するものがあり、恐らくはそういった歴史的背景を知っていれば更に深く楽しめるだろう。とはいえそこまでの知識がない私でもアクション映画として楽しめたのだから、わざわざ調べて知識を身につける必要もない。どちらかの俳優が好きで、アクションが観たい。そんな理由でもいいから、気負わず楽しんで欲しい一本だ。

Published in 佳作 映画感想